売上よりも粗利益が重要

東京の税理士かわぐちです。

世間では一般的に売上が多い会社が良いと思われがちですが、会社経営で重要なのは粗利益の金額がどれだけあるかという点なので、売上至上主義にならないように注意が必要です。

売上が多ければ対外的には信用力が増す場合もありますが、粗利益は売上から売上原価を差引いたものなので、いくら売上が大きくても見掛け倒しに過ぎず、長い目で見れば経営が安定するのは粗利益が多い会社です。

このような話をすると、経営者の方の中には「売上が増えれば後で粗利益は自動的に付いてくる」という方がいらっしゃいますが、売上を無理に増やそうとすれば値下げ競争に巻き込まれたり、あるいは利益を度外視した販売価格を設定してしまう可能性があります。

弊社のお客様のケースでも、売上が増えているので利益も当然確保できていると思ったところ、決算をしてみたら利益率が前期よりも悪く、むしろ赤字決算になってしまったということもあります。

ですので、月次決算をしている会社の場合、どうしても売上や営業利益の推移にだけ意識が行きがちですが、1番大切なのは「粗利益の金額」ですので、この点を意識して試算表の数字を読んでみると、また自社の欠点が分かると思います。